このまま進んでいいのですか?庁舎建て替え問題

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やはり、驚くこの金額!未来に残す借金

M(森) 軽井沢町の庁舎建て替え問題が再燃しているようですね。

S(佐藤) 令和7年3月の庁舎周辺整備推進委員会第16回での説明について、「軽井沢NOW」では、疑問点をいくつかあげて「このままですべて決定とはいかない」と書きました。

M しかし、軽井沢町の庁舎整備事業の委員会はそういう言葉に耳を傾ける姿勢は見られず、計画が進んでいったわけです。

H(広川) 今になって、いろいろなところから庁舎建設計画についての疑問や不満の声が聞こえています。

M 町としてはもうこれで決定ということにして、これから具体的な部分の検討に入ろうとしているようですが、今の段階で住民からの不満の声はどんなことですか。

H 金額を聞くと皆さん、びっくりしますよね。先日はタクシーの運転手さんが驚いていました。この時期になっても金額を知らない人が多いですよ。別荘の住民も軽井沢町へ税金を払っているわけだけど、どんなものができるか、幾らかかるかということはほとんど知らない。約150億円、もしかしたら200億円近くなるという金額を聞くとびっくりします。

S はっきりした金額は未だ出ていません。建設費が高騰しているから決まらないのでしょうが、町は契約までの期間の値上がりを考えれば125~140憶円と発表しています。その程度では収まらないと私は思っていますが。

M 「高騰するから仕方がない」じゃなくて工夫が必要。だけどそういうことは何も示されていませんね。先日、NHKテレビで放送していましたが、公共施設の建設を中止する地方自治体の多さは社会現象とも言える状況です。

H これから公共施設を建設する地方自治体もありますが、「必要最小限で豪華にしない。将来の世代に、出来る限り借金を残さないよう配慮したい」と首長自身が言っています。それに比べて軽井沢町は「将来の世代も使うものだから負担してもらう」と当然のようにかなりの借金を次世代に残す説明をしています。

M 勝手に借金を残される未来の若者たちが気の毒。将来世代には借金を残すのではなく、ボロボロの町営住宅を建て替えて快適な住宅を残してほしい。

H 役場建設にそれほど高額のお金をかけるのはもったいない。そんな予算があるならもっと有意義なことに使うべきです。高齢者も増えるからデマンド交通にもお金がかかるし、医療・介護、教育・福祉、環境整備、文化遺産保護などこれからいくらお金があっても足りないはずです。

疑問の声はどんなもの?リノベで十分の声も多い

1階のプラン 平面図

M 町民からの疑問の声は他にどんなものがあるのですか。

S 建設費削減のためには一体化ではなく、まだ60年使える中央公民館をリノベーション工事して使おうという声も大きいですね。それなら当然建設費は安くなります。

H 一体化の理由としては、将来的には新築の方が使いやすくなってランニングコストがかからないということでしたが、リノベーションでも十分使いやすくできることを多くの人がテレビ朝日の番組「ビフォーアフター」で知っているし、コスト的にも本体を壊すのと壊さないのとでは金額が違うこともわかっています。将来的にランニングコストが安くなるという一体化の説明も、時代によって光熱費や経費は変わるのだから今後のことなどはっきりわかりませんよ。

M あの大きなコンクリート造りの建物を二つも(中央公民館と老人福祉センター両方とも60年は使えると診断されている)壊すって、相当大変なことですよ。壊すだけでもかなり費用がかかるし、ゴミの量もスゴイ。まだ使えるのにホントもったいない。エコの時代に合いません。こんな大変な事なのに、近隣への工事説明もないんだって。

S 庁舎の設計についても疑問が出ています。中庭があることによって窓が多くなり、多角形の建物は構造が複雑なのでコストがかかる。半地下の設計は大雨のときなど浸水は大丈夫か、など具体的な設計図が出てからの疑問点もあります。

M 職員の食堂がないのに交流センターにはカフェがあるというのも…どうなのか。

H 最初、町は「民間の商売を邪魔するようなことはやらない」と言っていたのにカフェを造るとは? おしゃべり会やワークショップで希望が出たのかもしれないけど、自動販売機とイスが置いてあれば十分。無駄なことは削るべき。

M 経費が掛かる部分はどんどん削るようにしないと、とても建設費は減らせませんよ。カフェがほしいという住民の声は金額を話していない段階での要望ですから。

S 今まで貯めてきた基金を切り崩し、さらに莫大な借金を負うことによって今後の行政サービスが低下するのではないかという心配も出ています。

H 借金を埋める必要があるので、税収を増やすために開発が進められないかと心配する声は別荘住民から出ています。

2階のプラン 平面図

形ばかりの「庁舎整備事業推進委員会」、決めているのは誰?

S 庁舎周辺事業計画の推進委員会のあり方も問題になっているね。

H これは大いに問題ありね。傍聴に行ってみればわかりますよよ。半数以上が役場職員。委員24名中、一般住民はたった6名、あとは役場職員やアテ職といわれる町関係者。パブコメも読んで来ない委員が多いそうです。意見を言うのは公募の委員ばかりで役場職員たちは意見を言いません。

S 教育委員の2名は欠席が多くて、一人は18回の会議を15回も欠席。もう一人も8回欠席している。そうかと思えば、毎回出席して熱心な公募委員の意見は聞き流されて検討されない。

H 今までに18回開かれているけど、町長がいたのは4回だけ。それも途中で「公務のため」と言っていなくなる。担当は副町長だからと言うんだけど、その副町長は退職して新しい副町長に代わったばかり。傍聴している私たちは疑問を感じることが多いわけです。

M 町長が4回しか出席してなかったり、途中でいなくなったりって変ですよね。庁舎建て替えの問題は選挙公約なのだから、その会議は一番の公務にしなければならないはずでしょ。

H この推進委員会、ほかにもおかしなことがあります。最初の頃は配った資料を持ち帰るなと言いました。そのうちに、持ち替えってもいいけどSNSに入れるなと言ったり、やたら隠したがるんですよね。

S  委員会や事務局で話したことを不用意に外部で話すな、と事務局が推進委員に言っていますね。

H 議事録を見るだけで変だなと思うことがあります。例えば、2024年夏に出たABC案(庁舎と公民館を一体化するかどうか)の比較検討表について、当時A委員がコンストラクションアドバイザー(設計に関してのチェック)にこの比較は正しいと思うかと聞くと、アドバイザーは「事務局から聞かれていないので答えられない」と言ったそうです。A委員にどうなのか直接聞きました。町と正式契約する前だからとの説明だったそうです。コンストラクションアドバイザーの役目は「設計者が出してきた数値が正確かどうかをチェックするのが最も肝心なこと」なのに、アドバイザーは委員会で、設計者が出してきた予算の内訳(設計監理費だけで13億円超え)ABC案の比較(◎○△)について一度もコメントさえ出していないそうです。何のためのアドバイザーなのか疑うとA委員は言っていました。

S 一体化に関してのチェックをアドバイザーはしていないということですか。

M それはおかしいですね。

全体見取り図 駐車場は遠くて広い。

H 事務局が問題ね。第18回の議事録の中で「推進委員会が町と直接議論ができる唯一の会議体であることが住民にも認知されている」と事務局が言っていますが、これもおかしいですよね。町に言えるのは自分たちだけという特権意識を持っているわけ?そんな事務局に対して住民はどう思うかな。やはり、一部の選ばれた人たちだけで庁舎のことを決めているんだなと思うでしょうね。だからワークショップやパブコメなんていくらやっても都合のいい所しか取り入れてないと思われるのですよ。こうしたことを町長がどこまでわかっているか、副町長にしても着任したばかりではよく理解できないでしょう。

M どうも、見えない部分が多くて釈然としないと思っていたけどそういうことでしたか。まだこの先60年も使える建物を壊して一体化するというのも誰が決めたのかわかりませんね。資料を見ても一体化へと引張っている感じがして不可解な部分がありますよね。

H 町議会議員も検討する会を開いていると聞いていますが、それについて、どのような意見が交わされたのか全く伝わってきません。議事録も出てきませんね。議員こそ、経費削減についての声をあげなくてはいけないのではないでしょうか。

S 先日、NHKテレビでも建築費高騰のため、全国の自治体で数百件の建設がとりやめになったことを取り上げていました。軽井沢も同様です。選ばれた人たちだけで決めるのではなく、もう一度みんなで考えることが必要でしょう。この時期だから取り返しのつかないことにならないよう、そして将来の世代に多大な借金を残すことのないようにしたいものです。

H 土屋町長の選挙チラシの中には「声が届き信頼のあるまちづくり」「住民の意見を尊重して進めます」と公約が書いてあるのだから、その通りにできるはずです。今までの「推進委員会」は一部の選ばれた人、役場関係者、特に事務局の考えが中心だったと思います。

みんなで見直し検討会をやりましょう

S ということで、庁舎周辺事業推進委員会には納得がいかない、この計画にも疑問点が多すぎると思った人たちが集まって、「今からでも見直すことが必要だろう」と「みんなで見直し検討会」を開く予定があります。

疑問を感じている方はこのミーティングに参加しましょう。今の段階だから言えることがあります。

「みんなで見直し検討会」

― 庁舎改築の“目的”を見失っていませんか? ―

【ミーティング担当者からの声】

老朽化対策や業務環境の改善など、本来必要な改築そのものを否定するものではありません。しかし今進められている新庁舎・交流センター一体型計画は、総事業費が120億円超、今後の物価上昇によって契約時には150億円近くになると予想されています。この莫大な事業費を町民・別荘住民の税金と町の借金で賄うことは最善の選択なのでしょうか?

税金の使い道として本当にふさわしい規模・内容なのか? 疑問です。

いま一度立ち止まり、見直す時ではないでしょうか。

このミーティングが開かれる日時・場所はこちら↓。ぜひ、ご参加ください。

日時:11月29日(土)午後2時半〜
場所:中央公民館 1階講義室
問合先:軽井沢の自然景観を守る会 (庁舎見直しを検討する有志)
choshaminaoshi@gmail.com

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