別荘で過ごす政財界・学術著名人によるまちづくり講演会

国際文化都市整備機構(FIACS)の主催による軽井沢のまちづくり関係講演会が8月6日に行われた。FIACSは元首相の鳩山由紀夫さんを会長に、軽井沢と関わりのある政財界や学術関係者などで構成されている一般社団法人。軽井沢のまちづくりをテーマに毎年、講演会&交流会を開催している。9回目を迎えた今回は2つの鼎談を行った。

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美術館の課題と今後の展開

第1部では「軽井沢の文化と芸術~美術館の日常と非日常」をテーマにアーティストの小松美羽さん、安東美術館代表の安東奏志さん、元参議院議員で脇田美術館理事の水野誠一さんの鼎談が行われた。水野さんは美術館運営の資金難について、メトロポリタン美術館などの海外に学んでは、とサポーターの多さや税制などの例を挙げた。また、安東さんは軽井沢を起点として広域連携を図る計画が進んでいることを明かし、良質な芸術の場とするためにも、行政のサポートが必要と強調した。小松さんは「作家は自然から受け取ったものを消化して作り出す」として軽井沢のような場所が大切であると語った。

鳩山由紀夫元首相はじめ土屋軽井沢町長、小園御代田町長、小宮山洋子元厚生労働大臣、猪瀬直樹元東京都知事、軽井沢文化協会から作家の塩川治子さん、別荘団体連合会からエッセイストの三善里沙子さんらが参加。朝日新聞、信濃毎日新聞、軽井沢新聞が取材した。

グランドデザイン(風土フォーラム)を検証する

第2部は前町長の肝いり政策「50年後・100年後の軽井沢を考える」を掲げたグランドデザイン(風土フォーラム)の検証をテーマとして青山学院大学教授の井口典夫さん、軽井沢町議会議員の押金洋仁さん、建築家の團紀彦さんの3人で鼎談を行った。

初めに井口さんは軽井沢の年表を示し、軽井沢グランドデザインを作成後、長期構想や基本計画が見えなくなったと疑問点を挙げ、未来構想委員についても選定に疑問があったのではないかと指摘した。(風土フォーラム本会議での偏った会議については『軽井沢NOW』でも問題視してきた)。

押金さんは担当してきた新軽井沢のエリアデザイン会議について報告し、軽井沢が景観行政団体になるといいと提案した。團さんは旧軽銀座通りの景観や電柱埋設などにも触れ、「軽井沢の緑は個人のものというよりパブリックなものという意識がある珍しい町。新しい庁舎も建物が目立つというのではなく、どこに町役場があるのだろう、緑の奥にあるという形がいい」と語った。

このあと、友愛山荘の庭で交流会が行われ、長年に亘って会場を提供した鳩山由紀夫さんへ感謝を込めてFIACSから記念品が贈られた。

友愛山荘は閉鎖するため、来年から会場が変更となる。

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