白樺で美しくなった湯川ふるさと公園

軽井沢バイパスに面した広い広場
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目的不明のネット署名キャンペーンに疑問の声

M(森)湯川ふるさと公園に白樺が植えられてとてもきれい。特に紅葉の季節は白樺が映えますね。

S(佐藤)その白樺がなんか問題になっているらしいですね。

H(広川)広場に植えた白樺は約30本。それがサッカーやキャッチボールの邪魔になるとか、ドクターヘリが止めるまれないとかツイッターで言っていましたね。

M 私、昨日散歩に行ったけど、サッカーもキャッチボールも十分できる広さありましたよ。

広場の北側も広さ十分

S ドクターヘリは消防署とか止まる場所は決まっているから公園には止まらない。緊急で止まるにしてもヘリはそんなに大きなスペースを必要としないですね。ヘリポートがあるビルの屋上の写真を見たことありますよね、あの程度のスペースでOKなんですよ。

H 「軽井沢町は特定企業・団体への利益供与を止め、公正な行政を」というネット署名が出てきたからびっくり。

M 白樺は寄付されたものと聞いてますが、そうじゃないんですか?

H 移植工事をやった看板に「有限会社しいある倶楽部」と書いてあったから、その会社を町が優遇したと思ったらしいですね。

M しいある倶楽部ならよく知っていますが、企業ではなくてNPO法人ですよね。県のアダプト制度に指定されていてプリンス通りや県道の街路樹の手入れを無料でやっています。「優遇した」というのは逆じゃないの?白樺はあの大きさなら1本5万から8万円はするから30本ならそれだけで200万円近くします。植える工事代金も相当かかりますよ。それを無料でもらった町が利益を得たということだと思いますが。いきさつを詳しく説明してほしいということなのかしら。

H そのいきさつについては私にも責任があるので、説明します。

白樺はどこから来た。その理由は?

追分にあったときの白樺。豊かな緑が日陰を作り涼風を呼ぶ

H 森さんはよくご存じですが、10年前に軽井沢の開発が進んで、更地が目立つようになった頃、軽井沢の自然環境を愛する人たちが集まってBESEA(のちの軽井沢自然景観会議)というボランティアグループができました。樹木が消えていくのを悲しんで、自分たちで森を造ろうと白樺の苗木を1本ずつ植えて「ベセアの森」を造りました。(上の写真が追分のベセアの森)

BESEAはBeautiful Environmental Scenery Ever After  (美しい風景をいつまでも)の略称

M  そうでしたね、覚えています。朝日や信濃毎日など新聞にも記事になりました。10年の間、倒れることもなく大きく育ちましたね。

H 永久的に保てればいいのですが個人的な土地なので、永久にということは無理があります。個人的な事情で売却することになって、白樺1本ずつに所有者がいるので事情を説明し、「白樺の木は私が買います、なるべく木を大切にしてくれる人に売ります」と話して理解してもらいました。

S 土地の売却はそれぞれ事情があるわけだし、所有者の自由だからやむを得ない。永久なんてあり得ないから皆さん理解してくれるでしょう。

M 土地を10年貸して代金は取らないばかりか、固定資産税もすべて広川さんが負担してきたんですね。快く納得するはずです。

H しかし、会長の鈴木さんは納得しませんでした。「この白樺はみんなで森を造ろうという意思で育ててきたもの。いくら木を大切にするという人が買ったとしても家を建てるなら何本も切られてしまう。それなら、私が移植します」と言ったのです。

M 鈴木さんはそういう人ですよね。彼女は切られる樹木をたくさん自費で移植したことで知られています。その数は500本とも800本とも言われています。すべて自費で行ってきましたからすごいことです。

H 私が知っているのはそこまでです。そのあと、白樺の移植をどのような経緯で県や町に話を持って行ったのか、承諾してもらったのかは知りません。私は責任を感じてBESEAの事務局長は辞め、作りかけだった会報を作り終えてから退会しましたから。その後、公園に移植すると決まったと聞き、良かったと思いました。個人の土地ではどうなるかわかりませんが、公園なら半永久的に残るでしょう。

S 町は鈴木さんが移植費用を持つので税金を使わなくていいことや、手入れや管理を専門家の鈴木さんが行うということで特に問題なく承諾したようです。

地球温暖化で熱くなった軽井沢にも必要な日陰

H 鈴木さんは羽田空港の庭園や原宿表参道のファッションビルの屋上に森を造ったことでも知られる造園家ですから、湯川公園もちゃんと考えて造られていますね。主に散歩道に沿って植えられています。バイパス側にも植えられていますし湯川側にも植えてあります。広さを十分取ったうえで真ん中に少し植えてあるのは、サッカーや野球で汗をかいた子どもたちが涼むためなのでしょう。保育園の子どもたちがお弁当を広げるにも日陰が必要ですから、そのためなのでしょう。広場に木陰はほとんどなく、藤棚のあるベンチくらいしかありませんから、町役場も日陰を求めていたのでしょうね。軽井沢も地球温暖化で夏は暑いですから日陰はマストですよ。

S なるほど、事情はわかりました。しかし、この署名集めで「特定企業を優遇した」というようなことが書いてありますが、これはどういうことなのでしょう。

H 「特定企業」というのは勘違いですよ。移植工事をした時の看板が「有限会社しいある倶楽部」となっていたからそう思ったのではないかと思います。鈴木さんはNPO法人しいある倶楽部として樹木の相談などをボランティアで行っています。羽田空港の庭園など造園家としての仕事は有限会社しいある倶楽部として行っているので、わかりにくいかもしれませんね。こんなことで町が優遇する理由はないでしょう。そんな理由がありますか?

M 優遇する理由がないのに署名を集めたりしているから、目的がわからないと皆さん思うわけですよ。住民にとっては嬉しいことですからね。実際、行って見るとわかりますが、本当に風景がきれいになりました。

H これはBESEAというよりも、鈴木さん個人の寄付ということだと思います。費用は鈴木さんがすべて出したわけですし、白樺の木に付いていた名札もはずしてありますから、BESEAではなく個人で行ったということだと思います。私は関わっていないので詳しいことはわかりませんが。

湯川辺りや散歩道に沿って植えられている

いつでも、自由に見られる美しい風景

S いずれにしても、軽井沢町は税金の負担はないので議会にかけるような案件ではないということです。これは何人かの議員にも確認しました。

H もう一つ気になるのは、私がこの件で町長に裏から話をつけていたというような根も葉もない言いがかりをネット上に挙げていることです。すべて憶測で言っているので笑っちゃいますが、これをそのまま信じてしまう人もいると困るので、ここではっきりとそのようなことは全くないということを断言します。役場に相談していたことさえ私は知らなかったのですから。

M 実に失礼な人たちですね。こうしたでたらめをネット上で拡散させるのは名誉棄損で訴えることができますよ。複数いるみたいなので悪質集団かもしれません。

S この署名の「問題提起」を読むと「私企業が管理していた資産を、公有地を使って今後管理することを、町として許可した。」ということを問題にしているみたいだけど、いくら署名を集めても、あまりに間違いが多すぎてお話にならないでしょうね。

H よく読めばおかしいということに気が付くから、実際、署名は大して集まっていないですね。

S 東京の友人は「白樺なんてステキな木を30本もタダで植えてくれて管理までしてくれるなんて、ありがたいことなのに、なぜ、この人たちはケチを付けているんだろう」って不思議に思っています。署名を集める目的がほかにあるんじゃないかって疑っている人もいますね。

H 目的がよくわからないままネット署名を集めていますが、そこに勝手に私の名前や個人情報を挙げていたので、それはネット署名の会社(Chenge.org)に伝えて削除させました。実に非常識なので、読んでおかしいと気づく人も多いようです。

M 昔たくさんあった白樺も開発で減りました。白樺林を見ようと思ったら、塩沢湖畔へ行かないと見られませんでしたが、ここならいつでも自由に美しい風景を満喫できます。

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