令和9年に完成予定の軽井沢町庁舎の外構工事が4月から始まっている。開始したのは整備事業地確保のための軽井沢病院前駐車場の解体工事だ。総額65億円、複合施設まで入れたら90億円以上とも噂されている庁舎の建て替えは本当に必要なのか、計画はどのようにして決まったのか取材した。
なぜ、建て替えが必要か
現在の庁舎は昭和43年に建築された。建て替え理由として町は約50年が経過したとして「配管設備等の老朽化」「エレベーターが無い等、機能不足」「待合スペースが狭くなった」「仕切りがなくプライバシーへの配慮ができない」「書庫不足」「通路が狭く車イスの通行が難しい」等をあげている。
建設費はいくらかかるのか
町の資料によれば、建設事業費として新庁舎に37億5千万円。複合施設に25億円を想定しているが、よく見ると、これには設計費、解体費、備品購入費、外構工事費は含まれていない。これでは、60億円は軽く超えることが予想される。しかも工事費高騰の折、90億円近くなるという噂も否定できない。軽井沢町は国や県からの補助を活用すると述べている。また、現在積み立てている資金のほか、ふるさと納税による収益を充てる計画もあると町議会議員は話す。
建設計画は
町役場の資料によれば、建設計画は次のとおり。
令和3(2021)年 基本計画
令和4(2022)年 新庁舎基本方針
令和5(2023)年~6(2024)年 実施設計
令和7(2025)年~8(2026)年 新庁舎工事
令和9(2027)年 新庁舎開庁
複合施設の工事は令和10~11年の予定
計画はどのように進められたか
令和元年12月、庁舎改築周辺整備事業検討委員会が発足。検討委員会は町議会議員や観光協会長、商工会長、一般公募から選ばれた町民など18名で構成され、令和3年2月までに6回行われた
建築設計は公募型プロポーザルとし、令和3年8月に第一次審査を行い20社が応募、同年9月に第一次を通過した7社の審査を行った。隈研吾や坂茂ら著名な建築家からの応募もあったが、最優秀提案者には「山下設計・三浦慎建築設計室」に決定した。どのような設計かは、町のホームページに動画で掲載されている。その契約の金額は1億6千48万円。