現存する最も古い軽井沢の別荘は? 

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ショーハウスでもなく、八田別荘でもないことが判明

軽井沢の別荘第1号はショーハウスだが、ショー記念礼拝堂裏にあるショーハウスは復元されたものであり実物ではない。日本人別荘第一号の八田裕二郎別荘は明治26 年の建築、今まで、これが現存する軽井沢最古の別荘だと思われていた。しかし、この度、軽井沢文化遺産保存会の調査によって、ウイン別荘(旧・片山廣子別荘)が現存する軽井沢最古の別荘であることがわかった。

明治25年登録のウイン別荘が、軽井沢に現存する別荘で最古

ウイン別荘は「旧・片山廣子別荘」として軽井沢ブループラークの認定を受けている。歌人でアイルランド文学翻訳家の片山廣子が所有し、芥川龍之介や堀辰雄が訪れた文学者ゆかりの別荘として文学ファンに知られている別荘だ。廣子は大正14年頃に借りて夏を過ごし、昭和6年に所有した。建築については、宣教師ウインが建てた明治時代の建物ということしかわからず、詳しいことは知られていなかった。

軽井沢文化遺産保存会のメンバーの調査によって、明治10年に来日したアメリカ人宣教師トーマス・クレイ・ウインが明治25年に建てた別荘だということがわかった。建物の登録記録は明治25年だが、当時、外国人は土地家屋を所有することができないため、ウインの名前は記載されていない。

120年経たウイン別荘、初公開

10月8日に文化遺産保存会による別荘ウオッチングが開催され、ウイン別荘の内部が初めて一般に公開された。

参加者は、片山廣子が過ごした頃の雰囲気を大切に保存されているリビングルームや堀辰雄が泊まった2階の寝室など全てを見学。「初公開の別荘を見学できてラッキー」「軽井沢の歴史のすごさを感じました」などの声が聞かれた。

文化遺産保存会は昨年、次世代への継承・保存を呼びかける「軽井沢文化遺産別荘バンク」を開設し、第1号としてこのウイン別荘を登録している。

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