出井伸之さんの軽井沢への言葉

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どういう人が来たらいいかということを考えることも大切

6月2日、元ソニー会長の出井伸之さんが逝去されました。大賀典雄さんの後を受けて異例の14人抜きで社長になった国際派の経営者でした。軽井沢には南原文化会に別荘があり、子供の時から訪れていたという出井さんに、私がインタビューさせていただいたのは2008年。読み返してみると、軽井沢の将来を心配しこれからの課題を話していただいた貴重なインタビューだったことがわかります。今からでも、軽井沢関係者には出井さんの声に耳を傾けてほしいと思います。以下、出井さん語録。

ここは日本の宝石みたいなところ、そこに価値がある

「軽井沢の一番のバリューはクリエイティブな人たちの集まりがあること。ユニークな音楽家もいれば、建築家も、学者とか、料理人もいる。それと自然。そういう人たちが自然を求めてきている」

「軽井沢は自分の町の価値をわかっていないと、あっという間に崩れる。安い物をたくさん売るというのは軽井沢が一番やってはいけないこと。それは軽井沢が俗化することなんです。ここは日本の宝石みたいな大切なところで、そういうところにバリューがあると思う」

「最近は俗化を利便性とか商業化と錯覚していますね。100円ショップとかは必要かもしれないけど、軽井沢はそういうのを排除してきたわけです。それが一斉にできてそうなったら、僕ら軽井沢に来なくなりますよ」

「軽井沢の行政の人たちは、まず町だけを考えるでしょ。軽井沢の町は軽井沢の人たちだけの町で成り立っているんじゃないんです。外界のサポートがあって成り立っている。それに対して理解がないですよね。」

「軽井沢の町が自分のことだけ考えて商業的になったら使えなくなっちゃう。軽井沢って、世界とそれを繋いでいる世界両方に理解ある人が増えていくことが重要なんです」

「軽井沢にどういう人が来たらいいかということを考えることも大切です」

(取材 広川小夜子)

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