ワタベウェディング跡地に3階建のホテル計画

長年「近藤長屋」として親しまれ、その後ワタベウェディングが所有していた場所に、地上3階、地下1階、70室のホテルの建設を計画していると、と東急不動産が発表した。

明治時代からあった近藤長屋は老朽化のため取り壊し、ワタベウエディングは長屋風の建物を新築した。
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軽井沢の由緒ある場所に、高さ12mの壁のようなホテルが

8月8日に行った説明会によれば、敷地面積4,173.5㎡(約1264坪)、建築面積2,329.05㎡(約706坪)、延床面積8,375.84㎡(約2538坪)という巨大なホテルが建つことになる。平面図をみると、建物は南側の道路までギリギリに建つ計画なので、緑豊かな裏庭をすべて潰すことになる。ここは明治時代から近藤友右衛門氏が大切にしてきた、小川の流れる苔庭の美しい庭園。ワタベウェディングもクリークガーデンと名づけて守って来た庭園だ。

緑深い南側には小川が流れる庭があり、クリークガーデンと呼ばれている。

タクシー、客の車はどこを通る?工事のダンプカーは…

説明会の会場に集まった近隣住民からは、「3階建てというが地下1階は半地下なので、これでは4階建てということだ」「70室なのに駐車場は18台分しかない」「バスツアーのバスやタクシーはどこに停まるのか」「客はどこを通るのか」など、疑問点が次々と上がった。

解体工事や樹木伐採を行う北野建設にも「工事のダンプカーはどこを通るのか」と質問が投げかけられたが、具体的な対策は述べられず、「警備員が配慮します」というだけだった。子どもの頃から近所で暮らして来た女性は「私にとっては懐かしい大切な場所。木と苔、緑を残した建物にしてほしい」と述べた。9月から樹木伐採、建物解体を行うという。

町役場が一緒にプランを考えるべきと提案

「東急さんは軽井沢と縁が深いはず。軽井沢の歴史あるこの場所に造るホテルに対して、どのようなビジョンを持っているのか」という質問が出たが、まともな説明はなく「運営会社はほぼ決まっていてその意向をき聞いて考えた設計」だと、運営会社の要求に応じた設計であることを漏らした。参加者からは「狭い部屋を70室も作ってビジネスホテルより悪い。評判を落とすだけだ。旧軽銀座へ観光客も来なくなる」など、厳しい意見があがった。

説明会に参加した青山学院大学教授の井口典夫さんは「こういう大事な問題は町役場が出て来て一緒に考えることが必要。ルールを作ったうえでプランを考えた方がいい。半月かかってもいいから良い計画にしなければいけない。表参道の計画は行政と都民が一緒に考えてルールを作り、森ビルも加わってあの一帯の計画ができた。軽井沢もそのくらいのことをすべき」と、町役場に前向きな姿勢を求めた。

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