どこまで続く軽井沢のホテル建設ラッシュ

東急不動産が地下1階、地上3階建てのホテルを計画したが、ホテル計画は旧軽井沢だけではない。軽井沢町内の各地でホテル計画がまだまだ続いている。

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ホテルの景観はバラバラ、統一感なし

離山通りでは雲場池近くの駐車場が売られ、関西企業による和風ホテルを建設中。「隣が欧風のホテルなのに和風ホテルとは。景観上の調和がとれるのか」と心配する声も聞こえる。全国展開してきた企業は独自のやり方を優先するので軽井沢の景観などはほとんど考慮しない。

南軽井沢には楽天信託株式会社がヴィラタイプの宿泊施設を計画。高級感あるヴィラタイプだというが、隣の棟とはほとんどくっついていてホテルと変わらない設計だ。

地上2階建、一部1階建。宿泊兼管理棟1棟、ヴィラ18棟、
敷地面積4759.69㎡、延床面積2158.29㎡

個人の家?いいえ、実は旅館!

中軽井沢では住宅地に旅館の計画。個人の家だと思っていたら、実は旅館の計画だった。それを知った近隣の人たちが町役場に問い合わせると、「説明の文書を送ったから手続きは済んでいる」と担当者が答えた。住民たちは驚き、弁護士を頼む騒ぎになっている。旧軽井沢の別荘地でも企業の山荘だと思っていたら実はホテルだったと困っている例がある。原則として民泊は軽井沢では禁止されているが、こうしたやり方で宿泊業を行う例がある。計画説明の文書を送って、返事がなければ承諾したとみなすという町役場のやり方は、町議会でも問題になっている。

県の佐久建設事務所の建設確認書類を見れば、宿泊施設の計画は大小にかかわらず、軽井沢町内各地で計画されていることがわかる。

元々は静かな別荘地のはず。観光客増加の対策はあるのか。

長野新幹線(その後、北陸新幹線)が通り、日帰り圏になった当時、宿泊業は減ると思われていた。しかし、ここ何年かのうちにホテルの建設は急激に増えている。

交通渋滞やゴミの増加問題など、棚上げにしての開発は今後、大きな問題になることだろう。また、こうした観光客の増加による軽井沢の質の低下、本来の避暑リゾート・別荘地としての価値をどのように守るか。それによっては歴史が築いた「軽井沢ブランド」の真価に大きく影響することになる。

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