【WATCH! 軽井沢町議会】予算決算委員会は紛糾

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傍聴席は満席。議場外のモニターでも傍聴。

14日の予算決算委員会は3日にわたって行われた。

3月10日の軽井沢町議会予算決算委員会で担当者が予算書を読み上げたとき、議員たちは初めてこの作曲料1000万円の予算のことを知った。「これは町民の意見を聞いたのか」「いつもなら全員協議会で知らせてくれるのにそれがなかった」など、議員たちからは疑問の声があがった。

上原総務課長「町民の意見は聞いている。検討委員会で聞いた」

議員「スマホで調べてもそんなのは出て来ない、だれが委員になっている?」

「職員が16人」と課長が答えると、「それでは町民の意見を聞いたことにはならない」と議員たちは憤慨した。

「作曲家はだれか?」それで千住明と名前が出てきた。「なぜ千住明か」という質問に「大河ドラマやアニメの曲を作っている」と課長。最初に挨拶して退席していた町長に変わって話す上原課長の声は次第に弱くなっていった。

3月14日午前9時30分から予算決算常任委員会が行われた。いつもなら数名しかいない予算委員会の傍聴席がこの日は満席となり、さらに入りきれなかった町民が別室に設置されているモニターを見つめていた。SNSでこの問題を知った住民が集まり、町長の言葉に耳を傾けた。

町長判断で作曲を依頼、そのわけは

「音楽は心の糧として愛されてきた。無形の財産となる。100年後の町民に、良いものを残したい。金額が高いと思うかもしれないが、芸術・文化は高いものだ」と壇上に立った藤巻進町長が曲を作ることの理由を説明。作曲をすでに依頼したという千住明氏については「千住さんはすばらしい曲を作曲する第一人者。軽井沢は一流でなければならない」さらに「曲は春夏秋冬、それぞれ3分、全曲で12分」と具体的に話が決まっていることを明らかにした。

川島議員「100年記念事業として式典、冊子作成等は理解しているが、曲については突然出た話で、何も聞いていない。議会軽視ではないか」

市村議員も佐藤敏明議員も「説明不足」。「事前協議会でも話に出なかった」と多くの議員が反発した。

町長は「説明をせず、申し訳なかった」と謝罪したが、それでは収まらなかった。

既に軽井沢組曲はあった

横須賀議員「一流でなければいけないという町長の考えは私とは違う。町の人たちから募集してもよかったのではないか。著名な人に頼もうと思ったのはなぜか」。

町長「天皇はじめ色々な方が来られて軽井沢の知名度があるが、その力が弱くなってきている。イメージを上げて皆が誇りに思ってほしいと思った」

寺田議員「ある企業が創立120周年を記念してオペラを2億円かけて作ったことがあった。それは企業だからいいが、町が税金でやるなら先に金額を決めてから交渉すべき」と疑問を投げ、さらに「軽井沢の曲は既にある」ことを指摘した。「2007年に大賀ホールで全14の組曲「美しい村」を発表している。軽井沢の歴史、自然、文化をテーマにした曲だ。そういうものを使うことを考えなかったのか」。

町長「『美しい村』はすばらしい曲だと思っている。新しいものを作って、それも併せて伝えることもできる」と苦しそうな表情を見せた。

軽井沢にふさわしい一流とは

町長が一流のデザインと絶賛したサイクリングの看板。
円形にしたため文字が小さくなり、よく見えないと町民には不評。

利根川議員「新型コロナ感染のこういう時期、この金額を使っていいのかということを考えたのか」

町長「考えなかったわけではない。102年になってから100年の曲を作るというわけにはいかない」

木内議員「1000万円という数字を行政は軽く考えているのではないか。広く公募して私たちの曲を作ろうと盛り上がることを考える姿勢があるのか」

町長「曲でないところは募集している。曲は公募では難しい」

木内議員「才能を持っている人はいる。そのプロセスが大事だと思う」

町長「やはり一流は一流だと思う。観光協会でサイクリングの看板を頼んだことがあるが、素人にはできないすばらしいものができた」

中沢「突然、この問題は出てきた。町民みんなで100周年を祝う気持ちが一番。みんなに意見を聞いてはどうか」

町長「アイデアは募集している。町側としてもふさわしい形と思って進めている。

(この後、町長や職員は退場し、議員だけの自由討議に)
赤井「町長の想いが強いが、そこでお仕着せになるのは問題。『私はこう思うがどうだろう』ではなく『こうするからこの予算どうだ』とはおかしい」

市村「意思の疎通を通してきちんと上げてきてもらいたい」

利根川「千住さんありきだった。なぜ、100周年で曲を作るのかということも話し合われえていない」

横須賀「価値観もそうだが、住民が一番置き去りにされている。町長の想いを押し通そうとしているのは納得できない」

中沢「100年には町民の盛り上がりが大切。コロナなどいろいろな問題がある中で通すべきではない」

このあと、横須賀議員が代表となり、予算の修正案が出され、16日の本会議で賛成多数で可決。作曲料1000万円は削除された。

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